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榎本恵牧師のコラム

2016/08/21

このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか。    ルカ 12:55


今年も随分と暑い夏でした。でしたというより、まだまだ続く残暑の中、「いつになれば、この暑さも終わるのだろうか」と、滴り落ちる汗を拭きながらため息まじりに呟いてみました。けれども巷の天気予報は、もう次の興味に移っています。「女心と秋の空」とは、大変差別的な言い草ではありませんか。それも言うなら「人の心と天気予報」。その予報とやらの言うことは、コロコロと人の心の思う事のように移ろい行きます。「秋の紅葉は綺麗だろうか」、「今年の冬は雪が多いだろか」と。新しく打ち上げられた気象衛星のせいでより正確に予報できるようになりましたと、得意満面にテレビで語るお天気キャスターの3ヶ月予報とやらを聞きながら、一つの詩を思い出しました。


「海は地球の7割だという それなら陸は残りの3割 魚は泳いで海の果てまでいけるのだろう 人は宇宙の果てまで行けるだろうか 海の果てさえ知らないくせに 海は地球の7割だという それなら陸は残りの3割 私はいつか この海の果てまで泳いでみたい」


どんなに科学技術が進歩しても、わからないものはわからない。明日のことさえも、本当はわからないのです。


ところで、キリスト教は、世の終わりというものを信じています。最後の審判の時が、イエスキリストが再臨される日がある事を信じているのです。おっと、そんな奇異なものを見るような目で見ないでください。聖書には、そう書いてあるのです。確かに今まで、人々の不安につけ込んできた者たちがいます。明日にでも世の終わりが来るように扇動し、自分たちの信じるところへ引き入れようとする者がいたなら気をつけてください。今まで、どれほど多くの善良なひとびとが、騙され傷つけられてきたことか。けれども同時に、この主の再び来るという約束はただ、イカれた戯言と、一笑に付さないでください。


「このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか。」(ルカ12:55)その日、その時を、私たちはだれも知りません。ただ見分けるだけなのです。「今の時を見分ける」とは、決して明日の天気のように、それを予想したり、予報したりするものではないのです。「今」という時はいつも、その日を前にした「今」ということを知ること。そしてその今を、どう生きるのか、それが今を見分けることなのです。 さて「台風は来るのかなー」、激しく変わっていく予報円の進路図を見ながら、そんなことを考えました。

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